世界的ベストセラー「武士道」をFXに活用【トレードに役立つ侍の知恵とは】

 
今回は武士道のだそうな。
 
忍者
忍者には無縁。
 
忍者だけに毒を吐くか・・・
 

今回は、世界的ベストセラー「武士道」の書籍紹介。

武士道に関する書籍は堅苦しいものが多いので、この記事では現代風にアレンジされ、誰でも読みやすい一冊を紹介します。

本の作者は、誰もが知る”あの人”です。

この記事の内容

  • トレードの困難を乗り越えるヒントが武士道にある!?
  • 武士道の教えをゆる~く解釈する!

この記事を書いている管理人は、相場歴10年超。

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管理人プロフィール

トレード探求で直面する「壁」

書籍紹介の前に、少しだけトレードのお話から。

真剣にトレードするほど、色々な困難にぶつかりますよね?

努力するからこそ直面するさまざまな壁。

 
ななすけの場合は、次のような壁にぶつかったそうじゃ。
 
忍者
壁くらい何じゃ、ワシらは天井にも張り付くぞい。
 
そういう話じゃないんだが・・・。
・自分のトレード軸を見出せない
・自分で決めたルールを守れない
・一貫したトレードが続かない
 
 
どれも己の内面と深く関わっておるな。
 
忍者
腑抜けじゃな。
 
また毒・・・
人は皆、弱いものじゃて。

管理人の壁はどれも抽象的。

もう少し具体的に書き出してみます。

・早く稼ぎたいと焦る
・高額商材を購入
・ハイレバトレードして大敗
・聖杯探しに没頭
・検証作業を怠る
・失った金額を取り戻そうとして大敗
・クレジットカードで入金
・チャートを開いてすぐポジる
・含み損は基本祈る(損切りしない)
・含み益はチキン利食い
・資金管理方法と無縁
・時間、金、労力を無駄に浪費
・ルールを作らない(and守らない)
・飲酒トレードで大敗
・失敗から学ばない
・継続すればいつか成長すると信じる
・最終的に神経衰弱
・トレードで借金を背負う
・自分はトレードに不向きと悟る etc…

他にもまだありますが、挙げればキリがありません・・・

 
おぉ、ななすけの本性が見えてきたぞ。
 
忍者
コヤツ、阿呆じゃな・・・
 
毒・・ではなく、それは正論。
 

実際、管理人はこれらの行為を3年間に渡ってやり尽くしました。

しまいには、神経衰弱してほぼ廃人状態・・・。

そんな愚かな管理人ですが、その中で「愚行の正体」に目を向け始めます。

そして、「愚行」を改善するために描いた「理想のトレーダー像」がこれ。

  1. 自分で組み立てた売買戦略を一貫する
  2. ビジネスとして資金管理を行う
  3. ①と②を継続する

愚行の数々がたった3項目に集約されました^^;

独学でFXトレードを始めた管理人は、失敗を繰り返しながらも、少しずつ成功体験を得ていきます。

悪あがきをする中で、ぼんやり見えてきた何か―――。

それは

「安定したトレードには技術だけじゃなく人間性が関係する

ということでした。

そして、人間性の手掛かりを探し求めた先に・・・。

武士道との出会い

ベン、ベン、ベベベン、ベン♪(←三味線の音)

ここからは、頭の中で三味線を響かせてお読みください。(時代劇風に)

これから紹介するのは、旧5千円札でお馴染みの新渡戸稲造さんの名著「武士道」(漫画版)

今回は、同書からエッセンスのみ抜粋します。

花は桜木 人は武士

まずは、著者である新渡戸さんのご紹介。

新渡戸さんは、江戸時代の終わりに岩手県盛岡市に生まれます。

東京大学の前身のひとつ東京英語学校在学中に農学を志し、クラーク博士で有名な札幌農学校(現:北海道大学)へ進学。

その後、北海道庁に勤め害虫駆除の研究をするも、学問への情熱が抑えられずに帝国大学(現:東京大学)に進学。

しかし、当時の帝国大学の研究レベルの低さに失望し自ら退学・・・。(東大のレベル低いから辞めるってスゴイ)

さらなる学問を求め、アメリカやドイツの大学で勉強し、どんどん賢くなっていきます。

農学や法学の博士号もバンバン取得し、最終的には国連事務次長や数々の大学で学長や顧問を歴任。

一言でいえば「超勉強家」です。

この他にも、キリスト教や道徳思想、国学などにも精通していたそうです。

そんな彼が「武士道」を執筆するきっかけは、ドイツ留学中のある出来事でした。

ドイツ留学中に知り合ったベルギーの法学者と、道徳教育について議論していた最中・・・

新渡戸さんは、日本に宗教教育が無いことを説明します。

すると・・・

という質問を浴びました。

当時(江戸時代後期~昭和初期)のヨーロッパでは、キリスト教の善悪感をもとに道徳教育がされていたそうで、ベルギーの法学者にすれば、宗教教育が無いということは、道徳教育がされてないと同義だったようです。

余談ですが、新渡戸稲造は「江戸」「明治」「大正」「昭和」と4つの時代を生き抜いた人です。

この質問に即答できなかった新渡戸さんは、日本の道徳教育について考えます。

・礼儀正しく挨拶をする日本人
・家族や友人を大切にする日本人
・弱い者いじめをしない日本人

日本にも幼い頃から教えられる道徳教育が確かにある。

しかし、日本の道徳教育は、いったいどこから来ているのか――。

帰国した新渡戸さんは、人々が(桜の)花見をしている光景を目にします。

桜を愛する国民性
・潔く咲き散る桜の美的感覚

― 花は桜木 人は武士 ―

新渡戸さんから見た当時のヨーロッパ人は、美しく棘のあるバラを愛し、花が枯れる前に新しい花に差し替える「見栄え重視の人々」だったようです。

これに対し、”わびさび”のある日本人の美意識ーーー。

新渡戸さんは、ここに日本の道徳教育のルーツを見出します。

そして、その答えが「武士道」や「大和魂」に由来するものと結論付けます。(桜の花見からこの発想に至るのがスゴイ)

学問の鬼である新渡戸さんは、それから武士道について調べ尽くし―――

まとめ上げたのが名著「武士道」。

この本は英文で発表され、世界的ベストセラーになりました。

(新渡戸さんは英語も堪能でした)

義・勇・仁・礼・誠・名誉・忠義

新渡戸さんの武士道は「義・勇・仁・礼・誠・名誉・忠義」の7つの教えで構成されています。

これら7つの教えは互いに深く関係し、どの教えも等しく重要であるとまとめました。

 
うむ。どれも大切な教えじゃよ。
 
忍者
忍は公家や武家と密約を交わし生業をしておった。武士がサラリーマンなら、忍はフリーランス。生きる世界が違うのじゃ。
 
お主、それで毒ばかり吐いておったのか。

7つの教えは、どれも内容が濃いものばかり。

細かい部分は書籍に譲るとして、今回はその上辺を見ていきましょう。

武士道の7つの教え

と、その前に!!!

もうひとつだけ、FXの話題を。

管理人は、個人のFXトレードをビジネスに例えることがあります。

具体的には

  1. 自分で組み立てた売買戦略を一貫する 
    → 統括責任者
  2. ビジネスとして資金管理を行う 
    → 財務責任者
  3. ①と②を継続する 
    → 現場責任者

といった具合です。

この3役全てを自分が担うため境界線が曖昧ですが、トレードする中でこれらの役割が発生してきます。

 
 
武士道の話じゃなかったのか・・・?
 
忍者
話に筋が通らぬ馬鹿者なんじゃろ。
 
そこまでは言っておらぬぞ・・・毒

途中でFXの話題を挟んだのは、武士道とFXを関連付けるため。

武士道の教えがFX上達の過程で必要な要素だったり、継続して収益を上げ続けるのに必要なマインドだったりする具体例を以下にご紹介します。

ご自身のトレードライフと合わせて、7つの教えをご覧ください。

義 ~GI~

義の意味

  • 正しい道
  • 正義
  • 打算や損得を超越し自分が正しいと信じる道を貫くこと
  • 文武両道の文

FXとの関係

  • ブレないトレード軸をもつ
  • 学習・検証を継続する
  • 自制心を養う(ポジポジ病、コツコツドカン、ハイレバなどの防止)

説明

「義」は「妥協せずに自己研鑽を続ける姿勢」に通じる教えです。
 トレードも勉学も上達の過程は似ていて、初めは先駆者のやり方に習ってインプットを行い、次にそれらの学びを自分なりの方法で実践します。
 この試行錯誤を重ねる過程が「検証」であり、その先に自分のトレードルールが構築されていきます。これは言わば「生みの苦しみ」にも似た苦行で、ついつい近道を求めて「聖杯」を探してしまいがちですが、残念ながらトレード上達に近道はありません。
 物事を愚直に追及するのは容易なことではありませんが、「義」の精神はトレードに自分軸をもって向き合うという、最も大切なマインドを教えてくれます。

勇 ~YU~

勇の意味
  • 勇気
  • 生きるべき時に生き死ぬべき時に死ぬこと
  • 義を貫く実行力
  • 文武両道の武

FXとの関係

  • チキン利食いをせずにポジションをホールドする
  • 勝負所で強気で攻める
  • 損切りをコストとして割り切る
  • 常にマイルールを徹底する

説明

 「勇」は文字通り「勇気」に通じる教えです。
 「義」が文武両道の「文」なら、「勇」は文武両道の「武」に相当します。
 FXでは、継続した検証からトレードルールを確立したら、次にそれを正しく実行する必要があります。
 デモトレードや検証ソフトで理論値を出しても、実際に資金を投下して行うリアルトレードは別次元。
 現金を失うかもしれないという「恐怖」や、利益が乗った時に早く自分の物にしたいという「欲」が邪魔して、理論値通りに実践できないのが人間です。
 更には、現実の時間の流れに「じれったさ」を感じ、ニュースや地政学イベントで「突拍子もない値動き」を目にすると「ソワソワ」してしまうなど、いくら自分の武器(トレードルール)を磨いても、それを扱う人間の心が強くないと、結果が伴ってきません。
 「生きるべき時に生き死ぬべき時に死ぬ」という「勇」の精神が、相場で生き残るために必要な「覚悟」「勇気」の持ちようを示してくれています。

仁 ~JIN~

仁の意味

  • 思いやり
  • 他者への憐み
  • 弱い者や敗者を守ること

FXとの関係

  • 良いエネルギーの循環

説明

 「仁」は「思いやり」に通じる教えです。
 一見トレードとは無縁に思えますが、この教えこそが自分のトレードを豊かにするかどうかのカギになると管理人は考えています。
 トレードで得た利益や培ったノウハウは「資産」ですが、これらの資産を私利私欲だけで使っていては「良いエネルギーの循環」は起こりません。
 「良いエネルギーの循環」とは、「お金」「知識」「技術」を他者のために使ったり、社会貢献に役立てたりすることで発生する「正のエネルギー循環」を指します。
 日本でも「情けは人の為成らず」という諺(ことわざ)がありますが、これは「情け(思いやり・憐み)は、他者のためにかけるものではなく、巡り巡って自分に返って来るからこそ、他者にかけるものなのだ」という解釈がなされます。
 トレードは人生の目的ではなく手段。であるならば、トレードで得た利益を如何に使うのかを、「仁」の教えが示してくれています。

礼 ~REI~

礼の意味

  • 他者への優しさ
  • 感謝
  • 優しさや感謝を伝える作法

FXとの関係

  • 相場に感謝する
  • トレードできる環境に感謝する
  • 周囲の人に感謝する
  • トレードが起点となって良い人間関係が生まれる

説明

 「礼」は「感謝」に通じる教えです。
 相場で利益を上げられるようになった時、「自分一人の力で成し遂げた」と思うトレーダーよりも、「たくさんの方々のお陰だ」と感謝できるトレーダーの方がステキだと思いませんか?
 まだ結果が出ていない人でも、日々、相場と向き合い自己研鑽できる事に感謝できる人の方が、得られるリターンが大きいのも事実です。
 FXはゼロサムゲームなので、自分が利益を上げた時、どこかで損失を被っている人がいます。勝負事なので仕方ないことですが、一流のスポーツ選手ほど練習できる環境に感謝し、対戦相手に最大限の敬意をもっていますよね。
 「礼」はトレードで自分の心がすさんだり、傲慢になることを律するための大切な教えです。

誠 ~MAKOTO~

誠の意味

  • 嘘をつかず言ったことを成すこと
  • 誠実に生きること

FXとの関係

  • 健全な資金管理を行う
  • トレード収支を家族と共有する
  • 自分や周囲に嘘をつかない

説明

 「誠」は「誠実」に通じる教えです。
 これは、トレードに限ったことではなく、万人に共通する人生の命題ではないでしょうか。
 もちろん、FXでも誠実であるべきですし、「誠実でない=自分や周囲に嘘をつく」ことが、相場でどのような結果を招くかは想像に難くないでしょう。
 とはいえ、管理人も不誠実な自分に反省する日々・・・。特に、自分との約束事を破ってしまう常習犯で、筋トレや英語学習は、サボるために目標設定しているとすら言えます・・。
 「誠」には「嘘をつかない」以外にも、人として大切な教えがたくさん含まれており、この教え一つで自分の内面をセルフチェックできるので、ぜひ原著の「誠」の項をご覧になってみてください。

名誉 ~MEIYO~

名誉の意味

  • 自分に恥じない高潔な生き方をすること
  • 恥を心得た生き方をすること

FXとの関係

  • 自分のトレードに自信がもつ
  • トレーダーとして誇りをもつ

説明

 「名誉」の教えは字のごとくですが、その教えをそのままFXで実践すると大変です。
 江戸時代、士農工商の身分制度の中で、武士と商人の行動規範は正反対。
 武士は「誠=嘘をつかない」という精神に基づき、金品の貸し借りの際も、証文(貸し借りの証拠となる書類)を作らず、「拙者が返すと言ったら必ず返す!武士に二言はない!返せない時は死んで詫びる!」という姿勢。対して商人は、貸し倒れを防ぐために証文を取り交わす、現代的な金銭感覚の人々。
 ここに武士と商人の価値観の違いがあり、結果的に商人にお金持ちが増え、武士は貧しくなっていったのだそう。
 それでも、武士の心にあったのは「富の道が名誉の道ではない!」という信条。
 例え口約束で貸した金品が返ってこずとも相手方を非難せず、例えお金が無くても助けを求められれば施しをしたそうです。
 この美学に学ぶべきは多いのですが、これをそのままFXでやるとこうなります。
 例えば、地政学イベントで冒頭暴落が発生。本来なら相場が非常事態なので、特別対応が必要な場面。ところが、武士道の精神に習い「俺は名誉のために普段通りに取引する!例え口座資金が減ってもマイルールは絶対に曲げない!それが俺の誠であり名誉だ!」
 大敗を期するのは言うまでもありませんね(笑)
 ここでの名誉は「誠実に相場に向き合い続ける姿勢に誇りをもつ」という解釈がよいのではないでしょうか。

忠義 ~CHUGI~

忠義の意味

  • 自分が信じる心(者)に自発的に仕えること

FXとの関係

  • FX成功の先にある志を貫くこと
  • 自分が信じられる売買戦略をもつ
  • 自分自身の判断に自信をもつ
  • 期待値と優位性を重視する

説明

 忠義の原義は「主君に対する絶対的な従順」です。
 「名誉」までの徳目は、武士以外にも通じる儒教思想のようですが、この「忠義」だけは武士に特殊な徳目と紹介されています。
 主君に対する従順という武家社会独特の規律は、現代のサラリーマン精神に通じるものを感じました。
 武士は主君に忠誠を誓う一方で、その主君の間違った考えに対しては命懸けで己の気持ちを訴えたと言います。(日本のサラリーマンも会社のために人生を捧げるイメージがありますが、時にクビ覚悟で体を張りますよね。)
 この教えをFXで活かすには、「誰に(何に)」忠義を尽くすかが大切になります。管理人としては「自分で築いてきたトレード軸」に忠義を尽くすイメージです。
 他の徳目にも共通することですが、武士道は「自分で納得できる解釈」を探すのも醍醐味です。自分なりの忠義を探してみてはいかがでしょうか?
 
うむ。武士道は藩や城主が各々定めておった教えの総称。新渡戸さんの武士道もその一つじゃが、他にも色々な教えがあるのじゃよ。その違いを探るのも面白いぞい。
 
忍者
今回のお主は楽しそうじゃの。儂はつまらぬ。
 
お主は今回毒ばかりじゃの・・・。

武士道は自分を見直す「物差し」

ここに紹介した7つの教えは、まだまだ目次のようなもの。

漫画版書籍では、ストーリー仕掛けで臨場感をもって表現されており、管理人は途中で胸が熱くなる場面もありました。

武士道は、身分階級の頂点にある士族が、武家社会の秩序を保ち、領民や家臣を良く治めるため、他の模範となるように定められたのが起源と言われています。

切腹も辞さない強いイメージの武士ですが、こうした規律を大切にしていたということは、今と変わらない悩みを抱えていたんでしょうね。

7つの教えの中で、ひとつでも興味が沸くものがあったら、まずは漫画版から読んでみてはいかがでしょうか?

さらに武士道に触れてみたい!という方は、全17章で構成される原書の翻訳本をぜひ!!

英文版も出ていますので、新渡戸さんのハートにとことん触れたい方は英文もオススメです。

FXトレードは相場を介して世界中のトレーダーと競う頭脳闘技。

その意味で、戦乱の世で絶えず戦をしてきた武士の教えは、色々と参考になるのではないでしょうか?

加えて、トレードする時はいつだって自分ひとり。

全て自己責任、全て自己完結の孤独な世界です。

自分を見直す「物差し」として、武士道の教えを紐解くと、今まで見えていなかった一面が見えてくるかもしれませんよ?

武士道の教えは儒教がベースになっていると言われ、思想学に似ています。

自分なりの解釈を探しながら、この機会に武士道の精神に触れてみてください!

「自分にも武士の血が流れているんだ」という誇りと、「胸が熱くなる想い」をお約束します!!

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