今回は、市場が入れ替わる際に起こる、値動きの特徴とその対処法をご紹介します。
・市場が切り替わる際に起こる値動きへの対処法
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欧州勢が東京時間の流れを潰す理由

欧州時間(日本時間の16時~17時)から、相場が急に動き出すのを見たことありませんか?
この動きに翻弄されて、損失を出した経験があるのは管理人のほかにも多いはず。
欧州勢が「東京時間の流れを潰す」のには、ちゃんと理由が存在ます。
欧州勢が東京時間の流れを潰す理由
ひとつずつ解説していきます。
東京時間のポジションは欧州勢に筒抜け
東京時間の値動きは、比較的穏やかで素直なのが特徴。
東京時間がトレンドフォローしやすい理由もここにあります。
それだけに、直近の高安値やレンジの上下付近に逆指値注文(損切り)が溜まりやすく、その価格帯までチャートが走ると、溜まった損切りを巻き込んで、急加速することもしばしば。
欧州勢は、こうして溜まった逆指値注文や持ち越されたポジションを狙い、新たな値動きを作る傾向にあります。
欧州に限らず、各国のヘッジファンドや証券会社、銀行のディーラーは、それぞれ独自の情報網をもっていると言われています。
証券会社やFX業者が、自社の顧客注文データを把握しているのは当然ですが、これらのデータがさまざまな形でやりとりされ、顧客の注文状況が把握されています。
もちろん、「日本の山田太郎さんがドル円を130.0円で買っている」のような、個人情報が出回っている訳ではなく、証券会社ごとの取引全体量がビッグデータとして活用されています。
証券会社やFX会社によっては、顧客の注文状況をデータとして公開しているところもあります。
こうした取引データは、トレード戦略の参考にもなるので、僕は積極的に活用しています。
注文に関するデータを公開している業者の一部を以下に紹介しておきますので、よかったら参考にしてください。
※一部の業者では口座開設が利用条件になります。
注文状況(ポジションデータ)を公開している業者は、次の記事で紹介しています。
揺さぶりでトレーダー心理を動揺させ新たな値動きを作る
欧州時間のはじまりとともに、チャートが勢いよく動き出す。
あとから見れば、長いヒゲや一時的な逆行も、リアルタイムでチャートを見ていると動揺してしまいますよね。
突然、チャートが一方向にブレイクすると、衝動的に動いてしまうのが人の常。
そして、衝動的に動いた人々をあざ笑うかのように、したたかに動くのが相場の常。
こうした一時的な値動きは、テクニカルの王道を無視して発生。
しかし、実際には多くのトレーダーが定石通りにトレードしているからこそ、これを一蹴する値動きとして表れることが多いのです。
それ故に、市場が切り替わった際の値動きにこそ、冷静な対処が必要。
もし、スパイクのような強い動きが発生しても、ニューヨーク時間を見据えて一呼吸置くのも選択肢のひとつです。
欧州勢の仕掛けも「6時間」で変わる

欧州序盤で作った値動きも、ニューヨーク勢の参入で流れに変化が。
欧州勢が東京時間の値動きを一蹴するように、ニューヨーク勢も欧州時間の値動きにインパクトを与えます。
ニューヨーク市場のオープンは、日本時間の21時~22時頃。
欧州序盤からの経過時間は「6時間」
特に、ニューヨーク時間の序盤は、アメリカの指標発表も集中するため、ファンダメンタルズでも動きやすい時間帯です。
ニューヨーク時間で潮目が変わることも考慮しておくと、欧州序盤の値動きにも対処法が広がります。
特に、欧州時間の値動きが上位足の流れに反していた場合は、ニューヨーク勢の参入で、一気に流れが巻き戻されることがあるので、目先の値動きに惑わされずに、大局を見てマネージメントしていきたいところ。
反発点を背に潮目が変わるのを待つ

欧州時間の流れが思惑と逆に動いた時、まず、やるべきことは「上位足の目線と優位性の確認」。
もし、欧州時間に思惑と逆行しても、上位足の方向性がポジションと合致しているなら、焦らずに様子を見るのも肝心。
エントリーの根拠(ポジションの優位性)が崩れていないなら、むしろポジションを追加するチャンスにもなり得ます。
この時、逆行したロウソク足を食い止める『砦』となる「反発点」があると、さらに優位に闘うことが可能に。
市場の入れ替わりを考慮しても、ニューヨーク時間まで耐えるには胆力が必要。
これを支えてくれるのが、ロウソク足の逆行を食い止める「反発点」です。
特に、次のような反発点は、価格が揉み合う可能性が高いので、エントリー時は背後に欲しいところ。
・押し安値・戻り高値
・逆向きのMA
・逆向きのボリバン
・意識される価格(キリバン)
・目立つ高安値で引いたフィボナッチ(R)
これらの要素が、損切りラインまでの間にあると、ニューヨーク時間まで耐えやすくなり、逆行しても、反発点付近のプライスアクションで追加ポジションを入れるチャンスも生まれます。
ポジショニングの際に、事前に確認しておくのがオススメです。
まとめ:欧州序盤の値動きは大局を見て柔軟に

今回は、欧州序盤に急な値動きが起きやすい原因と、その対処法を紹介しました。
市場が切り替わる時間帯は、得てして新たな値動きが発生しやすいもの。
そうした新たな値動きもシナリオに入れ、マネジメントの幅を広げていきましょう。
本記事の要約
- 欧州勢は東京時間のポジションを利用して流れを作る
- 一過性の値動きに翻弄されずに大局を見る
- 欧州勢の仕掛けも6時間が限度
- 反発点を背に潮目が変わるのを待つ